支払能力を別の角度から分析する
これまでの支払能力の判定は、貸借対照表上の数宇を使ってみてきましたが、
それはあくまで一定時点における支払能力をみてきたにすぎません。
支払能力は、その場その場の勝負であり、
決して一定時点における在高によるものではありません。
いいかえれば、資金不足にならないためには、
入金と出金のタイミングが合うかどうかが重要なポイントになります。
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したがって、一定期間における収入と支出とを対比して
支払能力を分析することも必要です。
この場合の収支には、経常損益に直接関係のあるものとして、
収益・費用の発生に伴う収支が、直接関係のないものとして、
決算・設備関係や財務関係の収支があります。
前者を経常収支、後者を経常外収支と呼びます。
経常収支が収入超過の場合には、それによって経常外支出の支払いが可能となり、
逆に支払超過の場合には、経常外収入がなければ支払い不可能となります。
つまり、経常収支がより重要であるということになります。
経常収支が収入超過ならば、資金繰りが良好で支払能力が高いといえるでしょう。
この経常収支の対比による支払能力の判定比率を経常収支比率といい、
次の算式で求めます。
経常収支比率 = 経常収入÷経常支出×100
この比率は、経常収入の方が経常支出を超えていることが望ましく、
100%以上が理想値になります。
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07:04 | Tb (0) | Page Top ▲
負債比率が高まると安全性は低下する
高度経済成長期は作れば物が売れる時代でしたから、
会社はどんどん設備投資を行いました。
設備投資のための資金は、借金によってまかないました。
それに伴い、支払利息などの費用が発生しましたが、
それを上回る利益が得られ、拡大再生産を支えていたのです。
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しかし、低成長期になり、売上の伸びが期待できなくなると、
利息や借入金の返済金が、資金繰りを大きく圧追することになってしまいます。
このような不況時の企業体質をみるために利用されるのが負債比率です。
負債比率は、自己資本の何倍の負債があるかを示す指標です。
たとえば負債が7,000万円、自己資本が3,000万円だとすると、
次のようになります。
負債比率 = 負債÷自己資本 = 7000万円÷3,000万円×100 = 233%
この例では自己資本の2.33倍の負債があることを示しています。
不負債比率が高まれば安全性は低くなり、低くなれば安全性は高くなります。
負債比率の理想値は100%以下が望ましいとされていますが、
わが国では自己資本比率が低いため、200%を超えているのが現状です。
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会社の安全性を高めるには自己資本比率を高める
会社の支払能力を高め、安全性を高めていくためには、
自己資本比率を高めることが不可欠です。
自己資本比率が高まれば、固定比率や固定長期適合率も向上します。
ひいては流動比率が向上し、短期的・長期的支払能力が高まることになります。
自己資本比率を高めるためには、自己資本を大きくし、
総資本を小さくしなければなりません。
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自己資本を大きくするためには、増資をして外部から資本を調達するか、
利益を大さくして任意積立金などの内部留保を大きくするかの
いずれかの手段しかありません。
たとえば、総資本10,000万円、自己資本2,000万円であれば、
自己資本比率は20%になります。
この会社が200万円の増資を行い、同額の借入金の返済をすると、
自己資本は2,200万円になり、自己資本比率は22%に上昇します。
自己資本比率 = 自己資本÷総資本
= 2,200万円÷10,000万円×100
= 22%
また、総資本を小さくするためには
①不良在庫を減らす
②売掛金や受取手形などの売上債権の回収を早める
③手元にある現金預金や有価証券などで借入金を返済する
④遊んでいる土地や建物などを処分する
などの方法があります。
上記の例で、遊休資産を売却し、借入金の返済を行ったために、
総資本が1,200万円減少したとすると、自己資本比率は25%に良化します。
自己資本比率 = 自己資本÷総資本
= 2,200万円 ÷(10,000万円-1,200万円)× 100
= 25%
自己資本比率を高めるためには自己資本を大きくする方法と
総資本を小さくする方法があることをおぼえておいてください。
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07:00 | Tb (0) | Page Top ▲
自己資本比率は企業体質を表す
総資本に占める自己資本の割合を自己資本比率といいます。
固定比率や固定長期適合率でみてきたように、
会社の長期的な安全性は自己資本の大小によって決まります。
就職活動をしている学生たちが、よくその会社の資本金を気にしたりしますが、
総資本のうちどれだけ自己資本が占めているのか、
それは、私たちが家や車を買うとき、頭金が大きければ大きいほど、
月々の支払いは楽になるのと同じことです。
たとえぱ、総資本が10,000万円、自己資本が3,000万円の会社であれば、
自己資本比率は30%となります。
自己資本比率 = 自己資本÷総資本
= 3,000万円÷10,000万円×100 = 30%
自己資本比率は高ければ高いほど、安全性は高まることになります。
日本の会社の場合、オイルショック当事、各企業の減量経営によって、
財務体質の改善が図られ全産業平均で20%程度と低い数字でとどまりました。
自己資本比率の低い会社は、借金経営であることを示し、
高成長期には借入金の利息を上回る利益をあげることができても、
不況になり売上が低迷すると利息の負担が大きくのしかかり、
収益性を低下させ、不況抵抗力が弱まります。
この比率は企業体質を表す重要な指標といえるでしょう。
自己資本比率の理想値は50%以上が望ましいのですが、
最低でも20%以上にすることが会社には必要です。
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06:44 | Tb (0) | Page Top ▲
固定長期適合率は固定資産への長期資本投下割合をみる
固定資産を自己資本でまかなうことは理想であって、
現実はその多くを他人資本に依存しています。
他人資本に依存する場合、短期借入金で
これをまかなうことは非常に危険です。
なぜならば、固定資産は長期的に使用し、
減価償却などの手段で長期間にわたって回収されていきますので、
これを1年以内に返済しなけれぱならない資金で充当すれば、
当然資金繰りに破綻をきたし、倒産の可能性も生じてきます。
固定資産の取得が自己資本でまかなえない場合は、
長期借入金などの固定負債をあてれぱ、債務負担に困難は生じません。
このように、設備投資(固定資産)が自己資本と固定負債の枠の中に
おさまっているかどうか、つまり、長期的にみて会社が安全かどうかを
より具体的にみる指標が、固定長期適合率です。
たとえば、固定資産が2,500万円、自己資本が2,000万円、
固定負債が1,000万円であれば、
固定長期適合率は以下のように83.3%になります。
固定長期適合率 = 固定資産 ÷(自己資本+固定負債)
= 2,500万円 ÷(2,000万円+1,000万円)× 100
= 83.3%
この固定長期適合率の理想値は100%以下です。
多額の固定資産を必要とする会社や、
わが国のように自己資本が少ないという現状では、
固定比率が100%以上であっても、固定長期適合率が
100%以下であれば安全だといえるでしょう。
なお、わが国では80%程度が平均となっています。
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